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サモワール -ロシア式紅茶湯沸かし器-

キャラバンが運んだ中国茶

16世紀以来、ロシアでは中国の茶が飲まれていましたが、西欧諸国がアフリカの喜望峰を回る海路で茶を運んでいたのに対して、ロシアは19世紀の終わりまで、ラクダの隊商(キャラバン)による陸路で茶を運んでいました。

陸路といえば、海路よりも楽に運べたのではないかと想像されますが、モスクワなどのロシアの都市は距離的にはむしろ西欧に近く、中国から1万8000kmに及ぶ道のりを足の遅いラクダで運ぶには、16~18か月かかりました。したがって、1869年にエジプトのスエズ運河が完成し、蒸気船の時代が訪れると、スエズ運河からエーゲ海、黒海を抜ける海路が利用されるようになり、1916年にシベリア鉄道がウラジオストックまで開通するに至り、キャラバンによる茶の運搬の歴史は、ようやく終止符を打ちました。

ロシア独自のサモワール

ロシアでは、サモワールと呼ばれる湯沸かし器で紅茶をいれます。サモワールは金属製のつぼ型で、内部にはやはり金属製の中空パイプが垂直に通っています。そのパイプ内で木炭を燃やし、サモワール内に満たした水を沸かすのです。沸かした湯は蛇口からティーポットに注ぎ、サモワールの上端に置いて茶葉を蒸らします。このようにしてかなり濃いめの紅茶を作り、それをグラスや大型のカップに4分の1ほど注いで、あとはサモワールの湯で薄めるのです。

紅茶には、レモンの輪切りや砂糖、ジャム、ラム酒などが加えられますが、ミルクはほとんど使われません。

サモワール
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