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茶葉のグレード

紅茶のパッケージに記されている「OP」「FOP」…などの紅茶のグレード。実は、これ、味を表すものではありません。ここでは、紅茶のグレードについて、解説します。

グレードとは

「オレンジペコ―」という言葉をよく耳にしますが、これの本当の意味は、紅茶のサイズと形状を表す言葉です。
紅茶をいれるときに、小さく細かい茶葉ほど、大きな茶葉と比べて水色やフレイバーが早く得られます。ですから、大小の葉が混じったものでは、いれ方が一定になりません。このため、工場から出荷する際に、茶葉のサイズや形状をそろえます。その時の基準が茶葉の「等級区分」です。つまり、品質上の等級ではなく、茶葉の大きさと形状を表すものなのです。

主な等級区分

OP(Orange Peloe / オレンジペコ―)

オレンジペコ―とは、商品名でもフレイバー名でもなく、また、オレンジの香りがするわけでもありません。
一般的な解釈では、「製茶仕上げが終わった原料茶葉の長さが7~11mmで針金状のもので、葉は薄い。水色はオレンジ色で薄い。」ものをOPといいます。

BOP(Broken Orange Pekoe / ブロークン・オレンジペコ―)

「本来的にOPタイプのリーフになるべき茶葉を、機械でカットしたものが主体で、サイズは2~3mm。最も多く新芽を含み上級品が多い」ものがBOPとされています。ただし、国や産地・時期などによってサイズにばらつきがあります。
OPとBOPでは製造方法が違い、OPはゆるやかに揉みながら葉を縒るのに対し、BOPは上から強く圧力を加えて、押さえつけたまま揉み、茶葉をカットしていきます。

BOPF(Broken Orange Pekoe Fannings / ブロークン・オレンジペコ―・ファニングス)

BOPFは、BOPの茶葉よりさらに細かくカットされたもので、サイズは1~2mm。水色はさらに濃くなり、香りがより早く出るため、ティーバッグによく使われます。
BOPFよりやや大きめのものを「PF(ペコ―ファニングス)」、やや小さめのものを「F(ファニングス)」といいます。

D(Dust / ダスト)

「製茶工場で作られる紅茶の中で、もっともサイズが細かいもの」をいう紅茶の業界用語で、「チリ、ほこり」ではありません。
分級紅茶(ブロークンズ)をつくる場合、BOP、BOPF、Fなどと一緒にできるもので、良質のダストの場合は、高値で取引されます。反面、通常のダストはインドなどの生産国の人々の日常用の紅茶として、大量に消費されます。
水色が濃く、味も強く早く出るのが特徴です。

CTC製法

CTC製法とは、特殊な揉捻機を使用して行う、「CRUSH, TEAR, CURL(押しつぶす、引き裂く、丸める)」の頭文字をとった製法です。茶葉を回転数の異なる2つのローラーの間に巻き込み、押しつぶして茶葉の組織を破壊・切断し、丸めて整形します。
茶汁は葉の繊維についたまま乾燥させるため、茶葉の色は赤茶色で、熱湯をかけると短時間で溶けて強いフレイバーと水色が出ます。CTC製法でつくられるのは、一般的には個性の弱い茶葉とされていますが、品質の良いものは、ティーオークションで高値がつくこともあります。

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